新春の朝日を浴びた霜の下りた白菜が、自ら光っているように感じたので写真を撮った。
都会のスーパーでは他の野菜に紛れて無機質に並べられている彼らも、畑ではこうして強くたくましく生きてきたのかと思うと感動してしまう。
白菜を撮りながら、数年前に観たアニー・リーボヴィッツの映画を思い出した。
何かの撮影中、アニーはカメラを構えたあと、『ごめん、感動しちゃった』と言って目頭をおさえる場面がある。
アニーの心情なんて恐れ多くて語れないけど、感動したときにシャッターを押す気持ちはすごく理解できる。
所詮、写真は機械が撮るものだけど、「何を撮るか」は人が決める。
ボクらは心が動いたストーリーを残し伝えようとして写真機を利用しているのだと思う。
そしてそれらは人生を通り過ぎ、出会ったストーリーの分だけ写真が残る。
もちろん広告写真も同じで、ボクがその企業さんの商品やサービスに心を動かされたことを誰かに伝えたくて写真を撮る。
逆に、心も動いていないのにキレイに撮ろうとか格好良く撮ろうとかだけの頭でいると、利己的でつまらない写真が出来上がる。
広告写真を始めた頃はそんな写真ばかり撮っていた。でもそんな優等生な「正しい写真」では全く伝わりもせず、結局何も生み出せない。
アニーと同じ写真は絶対に撮れないけれど、アニーと同じように自分の魂を大切に撮って生きていきたいと思う。
今年も多くの感動を探し、出会えることを願っています。
いろんな手段を考えているけど、今のところ写真はそれを伝えるのためのとても便利なツールなんですよね。
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