松井冬子展 – 世界中の子と友達になれる –
数年前、ふとしたきっかけで初めて松井冬子さんの「世界中の子と友達になれる」を観た時、衝撃とともに狂気的なテーマとグラフィックに共感したことを覚えている。
ボク自身、子どもの頃に「世界中の子と友達になれる」とまでの狂気は考えたことなかったが、この画を見て以来、SNSを扱う人々や街で子どもたちを見るたびに今でもそう考えているのかもしれないなと思うようになった。
幼い頃の闇や女性特有の陰の部分が交錯し、狂気を生み出す。
男目線でもその狂気がひしひし伝わる。
しかし作風からするととても世の中と接点を持たない方なのかと思いきや、サイン会やインタビューにも応える意外な社交性。
従順と無垢の行進。
広告が消費行動を促進させるツールであるとするならば、松井冬子さんの作品は衝動を代わりに満たしてくれるものなのかもしれない。
人々の抱える「気が狂いそう」という衝動をこの狂気の画が抑えるのだろう。
横浜美術館。
悩める女性と鈍感な男性に。3月18日(日)まで。
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