そこで咲いてくれました。
いっしょにふわりと行きますか。
岩に名前をつけながら。
春の風なら吹いています。
花の色だけ騒がしい。
愛する広告、いいちこの広告デザイン展がナディアパークのデザインホールで催されていました。
毎月発表される、商品の直接的な説明はいっさいしていない一枚の写真+コピーはとても力強く、多くの人々を魅了していました。
世界中のいろいろな場所で撮影しているのに、テイストが揃うのが素晴らしい。
ついついいいちこ本体を探してしまってやられた気分。
何十年も歴史がある広告にはエピソードもたくさんあるんだろう。
季刊iichikoの「iichiko note」というコーナーでは旅のエピソードが綴られている。
デザイン展の入口でその抜粋が3つほどボードに書かれていた。
その中の「文化の場所、文明の場所」というエピソードが目に留まった。
大阪で世界陸上が行われていたころの話らしいので5年ほど前の話だと思うが、クロアチアと日本の豊かさについてだった。
人口450万人、面積は九州の1.5倍ほどと小さく、ユーゴからの独立戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争と、つい最近まで戦争していた国。
まだ弾丸の痕や廃墟が並び、「地雷注意」の看板も残っている場所もあるらしい。
しかしそんなクロアチアは日本より遥かに豊かだという。
休みとなるとキャンピングカーかボートを牽引している車ばかりで、みんなアドリア海へ向かい、ヨットやクルーザーで楽しむそうだ。
世界陸上はヨーロッパのテレビでは日本人がまったく登場せず、目立つのは日本企業のロゴタイプ。
クロアチアは福岡県より少ない人口だけど金メダルも手にしているそうだ。
日本は企業中心(文明)で国を作り、人(文化)を大切にしてこなかったのではないか。
日本もそろそろ人間中心の国にしなければ手遅れになるのでは ー
と。
痛感である。
確かにクロアチアで会った人々はとても心地よく、街も心地よく広場のベンチでうたた寝をしてしまった。
高級感は感じないけど豊かな雰囲気ではあった。関係ないかもしれないけど美女も多かった。
世界一周でどの国が一番良かった?と良く問われるが、クロアチアはかなり上位に入る。
クロアチアの首都ザグレブに向かう途中の列車で仲良くなったクロアチア人のカップルはどこで買ったのか「東京」と漢字で書かれたカバンを下げていて、「これ何て書いてあるの?」と聞くので「TOKYOだよ」というと無邪気に喜んだ。
個人と企業というのはスポーツだけでなく、ビジネスでも多く見られる。
個人で活動しているクリエイターらは文化として大切にしてもらえる日は来るのだろうか。
いいちこ展も、多くのエピソードから何故この旅のエピソードを入口のボードに載せたのか。
そういえばクリエイター出身の日本の政治家ってなかなか見かけないな。
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