十八の頃に衝撃を受けた山口洋の三十二度目の冬。
この何ひとつ学ばない男から教えてもらった人生の入口を誰にも見つからないように開け、
こっそり中を少し覗いてしまった気分だった。
男性八年周期。
心身ともに充実し頂点となる三十二。
憧れる先人達は、何かを起こしたのは三十二だったと口を揃えて云う。
いい加減な毎日に憧れながら、新しいイバラの道と対峙する。
三十二度目の冬が迎えられ、冬生まれであることを嬉しく思う。
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