第40回 日本広告写真家協会公募展、APAアワード2012。
時代を代表する広告を記録するとともに、写真表現の質的向上を目的を図る公募展。
ギリシャ問題、円高、タイ洪水、そして3.11。
未曾有という言葉は数代前の首相の頃から好きでは無くなりましたが、
2011年はまさにそれにあたり、広告業界にとってもかなり逆風の年でした。
一時期、ほぼすべてが世の中から消えるということもあった2011年の日本の広告。
TVCMは公共広告のみになり、普段何気なく見ていた広告の存在を改めて感じた年でもありました。
特に3.11以後の日本は多くのアーティストがそうだったように、多くの写真家もまた自分のやれることを自問自答する日々でした。
ボクの周りでも多くの仲間がボランティア活動するなか、被災地の写真を撮っていいものなのか悩む写真家も見受けられました。
震災の影響は写真や広告にもあらわれ、今回のAPAアワードにも震災に関わる作品がありました。
伝えることを優先とした報道写真とは異なり、広告写真は夢を発信するものだとボクは考えています。
また、広告は経済を活性化する役割を持ちます。
ある広告写真家は震災直後、広告写真家は広告写真家として経済を活性化させることが復興のお手伝いになるのではないかと話されていました。
近年、「不況時には広告費から削られる」という動きが世の中の常識になりつつあります。
しかしそれは大変な誤解であり、多くの場合経済にとってマイナスのスパイラルを生むことになるでしょう。
こんな時だから広告を。
そう思う企業やクリエイターが多く存在したからか、今年のAPAアワードへの応募は例年よりも多かったそうです。
そのことを今回の授賞式で聞いてボクはとても嬉しくなりました。
授賞式と懇親会。
入選というギリギリひっかかっただけのボクだけど、作品を名前入りで展示していただいたのはもとより、この場に来られる権利をいただいたということが嬉しかった。
ボクが広告写真を目指すきっかけとなった大尊敬する写真家さんもいらっしゃいました。思い切って懇親会の席でお声をかけさせていただくと、こんなボクにでもとても丁寧に対応してくださいました。
緊張しすぎてボクの作品のことをお聞きすることができなかったのですが、ボクが憧れた広告写真の撮影時のことなどのお話しが伺うことができ、数年来の夢がひとつ叶った日でもありました。
まだまだ自問自答を繰り返す毎日。
入賞された皆様のように、ボクも経済を活性化する一役を担いたいと強く感じた宵でした。
現在、恵比寿ガーデンプレイス内の東京都写真美術館にて、入賞・入選作品が展示されています。
3月18日(日)まで。4月には大阪でも展示があります。
今年の写真家のクリエイションを是非見に来てください。
詳細はこちら。
諸事情によりボクだけ手書きだったが、これも悪くないね。
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