サラリーマンから転職したボクは、素晴らしい師匠に巡り会うことができた。
コマーシャル、ファッション、ビューティなど第一線の花形で活躍してきた師匠は大変厳しく、日々叱られ心身ともにフラフラになり、
生まれつき華奢なボクの身体はどんどん細くなっていった。
ところがそんな役立たずのボクに、師匠は時間を見つけて写真において大切なことを惜しげも無く教えてくれた。
師匠について間もない頃に教えられたことのひとつが、「ひとつのレンズを完全に使いこなせるようになれ」だった。
35のカメラしか持っていないボクは50ミリの単レンズを選んだ。
標準と呼ばれるこのレンズは肉眼の視野に近いというだけあって、広角や望遠で誇張すること無く出来る限り自分の等身大の視野を写真におさめたいという若い考えからだった。
多忙なアシスタント時代。隙を見てカメラを取り出し50ミリで撮りまくった。
もちろん仕事の撮影では50ミリ一本じゃそうそうこなせない。
師匠や先輩がいろんなレンズで撮影しているのを見てボクも試したくなり、深夜やたまの休日にはこっそりカメラとスタジオを使い、案の定バレてよく怒られた。
今でもスナップは標準レンズがとても楽しい。
中判を使うようになってからも標準を選択する。
世界一周も50ミリ一本で行った。
このブログも、日々を綴るのに誇張は必要ないので標準レンズのみを使う。
レタッチなんてしない。
50ミリブログという名にはそういう意味を込めた。
標準レンズを覗くたびその頃の若い考えを思い出し、師匠の顔もよぎる。
初心にもどり、写真に厳しくなれる。
そういう意味も込められている。
感謝と等身大のブログである。
まだまだ使いこなせてないっていう理由もあるけどね。
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