50ミリブログ

20121206_燕湯

知る人ぞ知る、御徒町の銭湯・燕湯。
入母屋造の屋根を持つ、絵に描いたようなこの老舗は登録有形文化財だそう。

のれんをくぐり、女将さんが生けているという生け花を抜けて下足箱を通り、番台で小銭を渡す。

ちなみに入口に「わ」と書かれた板があるが、これは”営業中”という意味らしい。
「わ」に「板」で「沸いた」。
閉店後は「ぬ」に変わるらしい。

お風呂付きの家が当たり前となり、都内の銭湯は30年前と比べて1/4ほどになったそう。
ボク世代でも小学生の頃によく連れて行ってもらった記憶があるのだが、今はいわゆる”スーパー銭湯”ができ、老舗銭湯は少なくなっているんだろう。

サウナも露天風呂も岩盤浴もマッサージも食事処も仮眠室もなく、山脈の絵が描かれた壁沿いの湯船しかないけど、大変気持ち好かった。
ベタなコントの世界に紛れ込んだか、湯船からローマ人が出てくるんじゃないかというような感覚を味わえるのも楽しいが、なんとなくここにいる自分がツウな気がしてそれも含めて気持ち好かった。
早朝にもかかわらず大勢の本物のツウなお客さんで繁盛しており、とても減少している業界とは感じられず、思わずツイッターでつぶやいたけど気持ちの好い人との出会いもあった。

いい建物を見ると、こんなスタジオあったらいいなぁとすぐ考える妄想屋。
こんな入母屋造のスタジオつくったら、ツウなお客さん利用してくれるかな。
オシャレなスタジオもいいけど、のれんくぐって入るスタジオもいいよね。
撮影が終わったら「ぬ」にして帰るとか。
50年後に有形文化財に登録されるとか。

妄想は置いておいて、気持ちの好い出会いというのは、気持ちの好い場所から生まれるのは確かでございます。

『燕湯。』

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