50ミリブログ

201301108_たまたまいいヒカリ

料理というのは寿命が短い。

料理は、料理人が客に出した瞬間が一番ウマいタイミングなんだと思う。ボクらは悠長に写真を撮っているヒマなんか無い。

つい見かけるレストランのクチコミサイトの写真を見ると、お店が可哀想になる時がある。
自慢げに載せているクチコミ写真はとても美味しそうと思えず、さらに写真を撮っている間に寿命は近づき、食す時には劣化しているにもかかわらずその味で評価をされてしまう。そしてその内容を見た人が行っても無いのに写真とMSゴシックで書かれた文章と星の数でお店を評価する。なかなか罪な世の中になってしまったもんだ。

なんてことを女性に話すと嫌がられるのでほどほどにしておくとして、料理の写真を撮るというのは難しいということ。
一般の方はあまり意識しないかもしれないけど、料理の撮影のためには見栄えのみにこだわった調理をし、小物を用意し、バランス良く配置しアングルを決め、ヒカリを作る。撮影のための料理とは言えその寿命は短く、料理が出来るタイミングと照明や小物を用意するタイミングは一緒でなくてはならない。ただ料理の色合いやボリューム、質感によって最適なヒカリは異なるためそれを判断することがとても難しいところ。
つまり、真剣勝負。簡単にはいい料理写真はできないのである。

しかし、たまたまカフェで通された席の雰囲気がよく、たまたま料理が良いヒカリを浴びていたら、こんな悪態をついているボクもついつい撮ってしまうというザマ。

人間の欲望なんてこんなもの。
良いヒカリはボクに美味しいランチを食べさせてくれない、罪なやつ。
パスタのスタイリングに納得いかなくてもそれは目をつむる。笑

『たまたまいいヒカリ。』

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